2025.09.30
先日、家族で食事に出かけたホテルのロビーで、ふと見覚えのあるロゴを見つけました。近づいてみると、そこにはギターと盆栽が並んだ、少し不思議で印象的な展示がありました。
実はその展示、安曇野で活躍する近所の若手庭師(大南造園)さんと、松本市に拠点を置く日本屈指のギター製作会社ディバイザーさんとのコラボレーションだったのです。テーマは「赤松」。
ディバイザーさんは、松枯れによって伐採された赤松の木を活用し、新しい命を吹き込むようにギターを製作。庭師さんはその隣に、力強く生きる赤松の盆栽を飾りました。
日本各地で問題となっている松枯れは、松くい虫の被害などによって広がり、大切な風景や里山を失わせています。その一方で、伐らざるを得なかった木材をどう生かすかは、地域にとって大きな課題です。
今回の展示は、失われつつある赤松と、未来へと受け継がれる赤松の姿を同じ空間に並べることで、「自然と共にどう生きるか」を問いかけているように感じました。
ココチエ建築設計でも桧、杉などの県産材を主に使用した住宅造りを行っています。かたちは違いますが、同じ地元で地産地消の取り組みに親近感が湧きました。
伝統的な技に新しい感性を重ねる近所の若手庭師さんの挑戦は、安曇野の豊かな自然と文化を背景に、これからますます広がっていきそうです。私たちも地域に根差した家づくりを通じて、共によりよい地元を育んでいければと思います。
それではまた。
Matsu
一人息子の育児に奮闘中です。