安曇野市工務店　設計士　Y氏のブログ【施工事例から見る、ココチエ設計の「共通性能」と「平均値」という考え方】

2025.12.15 | ｙ氏のブログ

― 安曇野の冬が教えてくれる、本当に大切な家の基準 ―

こんにちは。
安曇野市のココチエ一級建築士事務所、代表の矢倉です。

ここ数日、安曇野市でも雪が降りました。
朝、窓の外がうっすら白くなっているのを見ると、
「いよいよ冬本番だな」と、身が引き締まる思いがします。

今年も残すところ、営業日でいえばあと2週間ほど。
一年を振り返るこの時期になると、
私たちがつくってきた一棟一棟の住まい、
そして「この家で、ちゃんと冬を越せているだろうか」という想いが、自然と頭に浮かびます。

家づくりにおいて「本当に見るべき数字」とは？

家づくりを検討されている方から、よくこんなご質問をいただきます。
「性能は、どれくらいあれば安心ですか？」
「UA値やC値って、正直どこまで信じていいんですか？」

私たちココチエが一貫して大切にしているのは、
**“一番良い数値”ではなく、“実際に建てている家の平均値”**です。

なぜなら、
モデルハウスや広告用の特別な一棟だけ性能が良くても、
それが自分の家に再現されなければ意味がないからです。

ココチエが大切にする「共通性能」という考え方

ココチエでは、すべての住宅において
断熱性能（UA値）・気密性能（C値）を必ず確認・管理しています。

その結果、施工事例全体で見たときの
平均UA値はおおよそ0.3台、平均C値は0.1台。

これは、
・安曇野市という寒冷地
・エアコン1〜2台での暖房計画
・無理のないコストバランス

こうした前提条件の中で、実際にお客様が暮らしている家の数値です。

一棟だけ抜きん出た性能ではなく、
どのご家族にも、同じ安心と快適さを届けられること。
それが「共通性能」という、私たちの考え方です。

なぜ「平均値」にここまでこだわるのか

家は、完成した瞬間がゴールではありません。
10年、20年、30年と住み続ける中で、
冬の寒さ、夏の暑さ、光熱費、体への負担として、
必ず“性能の差”が暮らしに表れてきます。

だからこそココチエは、
「この一棟はすごいですよ」ではなく、
「どの施工事例を見ても、同じ基準で建てています」と言えることを大切にしています。

施工事例は、言い換えれば会社の成績表。
そこに並ぶ家すべてが、私たちの実力であり、責任です。

設計事務所だからこそできる、性能の積み重ね

ココチエは一級建築士事務所として、
意匠・構造・温熱環境を切り離さず、設計段階から一体で考える家づくりを行っています。

断熱材の性能だけでは、家は暖かくなりません。
・納まり
・施工精度
・現場での確認
その積み重ねが、初めて「平均値」として安定します。

派手さはなくても、
毎年、雪が降るたびに「この考え方は間違っていなかった」と実感できること。
それが、私たちの誇りです。

数字の先にある「ここちよい暮らし」を、安曇野で

性能は目的ではなく、暮らしを支える土台です。
暖かさも、涼しさも、静けさも、
すべては「安心して日常を送れること」のためにあります。

安曇野の冬を、当たり前に、無理なく越えられる家。
施工事例の平均値にこそ、
ココチエ一級建築士事務所の家づくりの姿勢が詰まっています。

今年も残りわずか。
来年もまた、この土地で、
一棟一棟、同じ基準で、誠実に家をつくり続けていきます。