2026.02.05 | y氏のブログ
こんにちは、ココチエの矢倉です。
以前から少し触れてますが、3人息子のうち、長男と次男がこの春、進学のために家を出ました。
あんなに賑やかだった食卓のご飯の量がガクンと減り、家の中もなんだか「スカスカ」になりました。
モノがなくなって広くなった部屋を見渡しながら、改めて感じていることがあります。
それは、家づくりにおける**「収納の本当の意味」**についてです。
「収納がたくさん欲しい」という罠
「新しい家には、とにかく収納をたくさん作りたいです!」 打ち合わせで、私たちが最も多くいただくご要望の一つです。
今の住まいで片付けに苦労していると、広いウォークインクローゼットや大きな納戸さえあればすべて解決する、そう考えてしまうのは当然のことかもしれません。 しかし、多くのお住まいを見てきた建築士として、そして整理収納アドバイザーとして、私はあえてこうお勧めしています。
**「収納はたくさん作るよりも、適材適所に配置しましょう」**と。
なぜ「広い収納」だけでは片付かないのか?
想像してみてください。リビングで使う文房具や爪切りを、わざわざ廊下の突き当たりにある大きな収納庫まで取りに行くシーンを。最初は頑張って戻していても、その「数歩」が面倒になり、結局出しっぱなしになってしまう……。これが散らかる最大の原因です。
収納を、中身が把握できない「ブラックホール」にしないためには、**「使う場所のすぐそばに、必要な分だけ」**あることが理想です。
ココチエが考える「適材適所」の例
玄関の「1歩目」収納: 靴だけでなく、コート、鍵、カバン、そしてマスク。家の中に入る前に「外の持ち物」をリセットできれば、リビングに余計なものは持ち込まれません。
キッチンの「0歩」収納: 調味料や調理器具は、動かずに手が届く範囲に。収納量よりも「出し入れのしやすさ」を優先することで、家事のストレスは劇的に減ります。
「とりあえず」を許容するリビング収納: 急な来客時や疲れた夜、あえて「何でも入れていい小さなスペース」を用意しておく。そこに入れるだけで視覚的なノイズが消え、心にゆとりが生まれます。
暮らしに「余白」を残すということ
実は、人間というのはかなり高性能にできています。収納に「隙間」があると、無意識にそこを埋めるモノを考えて購入してしまう習性があるんです。
収納面積を闇雲に増やすことは、それだけ「生活するための居住スペース」を削っているということでもあります。 適材適所のコンパクトな収納にすれば、床面積が限られていても、開放感のある広々としたリビングを叶えることができます。
整理収納の究極は「断捨離」
私は整理収納アドバイザーの資格も持っていますが、行き着くところ、**整理収納の究極は「断捨離」**だと思っています。
モノを管理するためにエネルギーを使うのではなく、本当に必要なものを、最適な場所に置く。そして、あえて暮らしの中に「余白」を残しておく。その余白こそが、万が一の備えになったり、新しい変化を受け入れる心の余裕になったりするのではないでしょうか。
わが家も、息子たちが去ってできた「スカスカ」の空間を、寂しがるのではなく、今の私たち夫婦にとっての「心地よい余白」として楽しみたいと思っています。
大切なのは「どう暮らしたいか」
収納計画は、単にモノを隠す場所を決める作業ではありません。「朝、どんな流れで身支度をしたいか」「帰宅して最初にする動作は何か」という、ご家族の暮らしの解像度を高める作業です。
「収納を増やしたいけれど、間取りがうまくいかない……」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。量ではなく、あなたの今の、そして未来の暮らしにフィットする「適材適所」な答えを一緒に見つけましょう。
ヤグラセイジ
手間がかかる事に手間をかけると愛着が湧く。
家づくりに手間をかけた分だけいい家になる。