2026.04.07
安曇野の美しい街の、知られざる現実北アルプスの麓、穂高有明。
別荘地や移住先として愛されるこのエリアで、先日、新築予定地の現場調査を行いました。
そこにあったのは、安曇野の代名詞ともいえる松林が、音もなく蝕まれている光景でした。
1. 現場で目にした「赤い警告」
数年前から深刻化している**「松くい虫(マツノザイセンチュウ)」**による被害。
あたりを見渡すと、あちこちで赤茶色に変色し、力なく立ち枯れた松が目に入ります。中には寿命を待たずして力尽きた倒木も散見されました。
この光景は、単なる自然現象ではありません。
これからこの地に根を下ろし、暮らしを育もうとする施主様にとって、そして地域社会にとって、無視できない**「安全と景観の課題」**なのです。
2. 建築士の視点:土地の「健康状態」を見極める
家を建てる際、敷地の境界や法規を確認するのは当然ですが、安曇野においては**「周辺樹木の健康診断」**が欠かせません。
倒木リスクの回避: 近隣や道路沿いに枯死した松がないか。
適切な伐倒: 建設時にどの木を残し、どの木を処置すべきか。
火災予防: 乾燥した枯れ木が密集することによるリスク管理。
30年、この建設の現場に携わってきたプロとして、また地域を熟知した一級建築士として、私は土地そのものの「今」だけでなく「10年後の安全性」を読み解く責任があると考えています。
3. 自然への敬意と、再生への願い
私たちココチエ建築設計は、木造住宅を専門としています。
木を愛するからこそ、枯れていく松林の姿には胸が痛みます。しかし、嘆くだけでは何も変わりません。
私の想い:
失われていく緑がある一方で、私たちは新しい住まいと共に、その土地にふさわしい「次の緑」を植えることができます。私は、枕木や芝生を活かした、素朴でどこか懐かしいナチュラル&ラスティックな外構を提案しています。
安曇野の風景をただ消費するのではなく、家づくりを通じて、この地の豊かな景観を再生し、次世代へ繋いでいきたい。それが、この地で経営を担う私の決意でもあります。
結び:安曇野の未来を共につくるために
現場調査は、単なる作業ではありません。その土地が持つ声を聞き、リスクを摘み、施主様が安心して暮らせる土台を整える神聖なプロセスです。
50歳を過ぎ、改めてこの安曇野の地に生かされている感謝を感じるとともに、地域の課題に正面から向き合う建築家でありたいと強く思いました。
穂高有明をはじめ、安曇野での土地探しや家づくりに不安を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。現状を正しくお伝えし、共に最善の解決策を考えさせていただきます。
ヤグラセイジ
手間がかかる事に手間をかけると愛着が湧く。
家づくりに手間をかけた分だけいい家になる。