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安曇野市工務店 設計士 Y氏のブログ【「南側の窓は日射取得のためにペアガラス」って本当はちがう?窓選びの新常識】


2026.05.29 | 新築

こんにちは。信州安曇野市を拠点に、木造住宅専門の設計事務所兼工務店を営んでおります、ココチエ建築設計株式会社の矢倉です。

5月ももう終わりを迎え、日中は少しずつ汗ばむような陽気の日が増えてきましたね。ここ長野県の松本市・安曇野市エリアは、他県に比べて標高が高く、これからの季節は「紫外線がとても強い」ことでも知られています。そのぶん冬も含めて晴天率が高く、澄んだ空気を通して降り注ぐ太陽の光は、私たちに豊かな自然の恵みをもたらしてくれます。

だからこそ、私たちの設計でも「太陽からの恩恵(自然の光や熱)」をしっかり家の中に取り込むパッシブデザインを大切にしています。

そんな中、住宅業界で長年ささやかれてきた、ある「常識」があります。
それが、「南面の窓はあえてペアガラス(複層ガラス)にして、冬に太陽熱をたくさん取り込むのが正解」という説です。

インターネットやSNSでもよく見かける情報ですし、実際に他の工務店やハウスメーカーからそのように説明されて迷っているお施主様も多いのではないでしょうか。

しかし、信州安曇野・松本の厳しい気候を知り尽くし、HEAT20 G2/G3レベル・C値0.15水準の超高性能住宅をつくるココチエ建築設計の結論は違います。

現代の超断熱・超気密住宅においては、南面も含めて「全面オール樹脂トリプルガラス(LIXIL EW等)」にするのが、光熱費を最も安く抑え、体感温度を最も暖かくする新常識なのです。

なぜ「南面ペアガラス」が本当はちがうのか、過去の常識との違いを含めて3つの真実(エビデンス)を分かりやすく解説します。


■ なぜ「本当はちがう」のか?全面トリプルガラスを選ぶべき3つの真実

① 昼の「5時間」の貯金を、極寒の夜「19時間」で使い果たすから
松本・安曇野は冬の晴天率が高いため、「昼間に太陽熱をたくさん入れよう(日射取得)」という誘惑に駆られがちです。しかし、1日の時間軸で熱の収支(プラスマイナス)を計算すると、ペアガラスでは大赤字になります。

・ペアガラス(日射取得優先):太陽の光が入る昼のわずか5時間は暖かいです。しかし、日が沈んでから翌朝まで、強い放射冷却で氷点下10℃近くまで冷え込む「残り19時間の極寒の夜」に、まるで壁に大穴が開いているかのようなスピードで、家の中の暖かさを外へ垂れ流してしまいます。
・トリプルガラス(断熱・保温優先):24時間体制で極寒の外気をシャットアウトし、昼間に暖まった空気も、暖房の熱も、絶対に外へ逃がしません。

② 今の高性能住宅(G2/G3)は、外から熱を「奪う」必要がそもそもないから
断熱性能が低かった「昔の家」は、外からの太陽熱(日射取得)を頼りにしなければ部屋が暖まりませんでした。しかし、ココチエの建てる家は国内最高峰の「魔法瓶」のような構造です。

室内にいるご家族の体温(1人あたり約100Wの熱源になります)、冷蔵庫やテレビなどの家電製品が発する熱、お風呂の湯気といった「生活熱(内部発熱)」だけで、家の中は十分に自給自足できる暖かさが保たれます。
わざわざリスクを冒して南窓をペアガラスにしなくても、「今ある家の中の熱を1ミリも外に逃がさない(断熱強化)」ほうが、エアコンの電気代は確実に安くなります。

③ 夏〜中間期の「オーバーヒート(室温異常上昇)」を引き起こすから
これからの季節に向けて、とても重要なポイントです。南側の窓をペアガラスにすると、冬の昼間は良くても、夏や秋口(中間期)に強烈な太陽熱が室内にダイレクトに侵入します。

近年の信州の夏は、35℃を超える猛暑日も珍しくなくなりました。南面ペアガラスは、エアコンの効きを悪くし、室内がサウナのようになる「オーバーヒート」を招くため、夏の冷房費(電気代)を跳ね上げる最大の原因になります。1年を通してトータルの電気代(光熱費)を最安にするなら、南面もトリプルガラス一択です。


■ 「新旧の設計思想」における決定的な違い

住宅の基本性能が大きく変わった今、窓に求められる役割も進化しています。その関係性を表にまとめました。

ペアガラス
【項目】
・ひと昔前の設計論(断熱が並の家)
【設計の視点】
・過去の限定的なアプローチ
【南面窓の仕様】
・ペアガラス(複層ガラス)
【思想(ゴール)】
・外の熱をいかに奪うか(日射取得)
【安曇野の冬の夜】
・窓際から冷気が流れ込み、暖房費が高騰

トリプルガラス
【項目】
・現代の超高性能設計論(ココチエの家)
【設計の視点】
・現代の科学的・包括的ロジック
【南面窓の仕様】
・トリプルガラス(オール樹脂窓 LIXIL EWなど)
【思想(ゴール)】
・中の熱いかに逃がさないか(断熱・保温)
【安曇野の冬の夜】
・窓際でも底冷えせず、24時間電気代ミニマム

◎ 現代のガラス技術の進化:「断熱」と「日射取得」は両立できる
「でも、トリプルガラスにしたら冬の日射が全く入らなくなって、暗く冷たい家になるのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。建材(サッシ)も日々進化しています。

現代のLIXIL「EW」などのトリプルガラスには、断熱性を最高レベル(U値0.9水準)に保ったまま、ペアガラス並みに日射を適度に取り込めるガラス仕様(Low-Eクリアなど)が存在します。

つまり、「冬の太陽の恵み」を受け取りながら、「夜の寒さ」からは鉄壁の守りで家を守ることができるのです。わざわざ熱が逃げるペアガラスを選択する理由は、現在の高性能住宅にはどこにもありません。


■ まとめ:性能の進化が、信州の暮らしの常識を変えていく

これからの季節、本格的に暑くなる前に、人間の体は「汗をかくこと」で体温調節をし、夏を迎える準備を整えていくそうです。健康的な暮らしのためにも、私も日頃から適度な汗をかくように心がけたいと思います。

住宅の設計も人間と同じで、本格的な夏が来る前に、性能を発揮するための「地域の気候に合わせた正しい準備(設計ロジック)」をしておくことが何よりも大切です。昔の常識やネットの情報だけに惑わされず、信州のリアルな気候に合わせた、本当に快適で、お財布にも優しい家づくりを考えてみませんか?

ココチエ建築設計では、一級建築士としての品格と情熱、精度、そして科学的なエビデンスに基づいた高性能住宅をご提案しています。

これから松本市・安曇野市周辺で注文住宅を建てられる方、窓選びや断熱性能に迷われている方は、ぜひ一度ココチエ建築設計へご相談ください。また、現在計画を進めている「ココチエビレッジ」のプロジェクトでも、こうしたこれからの時代の心地よい暮らしをご体感いただけます。皆様の理想の暮らしについて、ゆっくりとお話しできる日を心より楽しみにしております。

それではまた。暑くなってまいりましたので、皆様もどうぞお気をつけてお過ごしください。

社長プロフィール

ココチエ一級建築士事務所 矢倉誠治と申します。

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安曇野市・松本市を中心に、デザイン住宅・二世帯住宅・平屋・リフォームなど、こだわりのデザインで高性能なお家をご提案しているココチエ一級建築士事務所の無料相談会をご利用下さい。>>無料相談会をご希望の方へ

ヤグラセイジ

手間がかかる事に手間をかけると愛着が湧く。
家づくりに手間をかけた分だけいい家になる。

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