2026.07.25
こんばんは、ココチエ一級建築士事務所の矢倉です。
松本市や安曇野市で家づくりのご相談をいただく中で、最近、特に人気が高まっているのが「平屋」です。
「家を建てるなら、できれば平屋にしたいです」
そのようにお話しくださるお客様が、本当に増えました。
階段のない暮らし。
家族の気配を自然に感じられる間取り。
庭とのつながり。
そして、年齢を重ねても無理なく暮らし続けられる安心感。
平屋には、子育て中の今だけでなく、10年後、20年後、その先まで見据えた暮らしやすさがあります。
一方で、子育て世帯のお客様からは、
「3LDKの平屋にすると、大きな家になりませんか?」
「コンパクトにすると収納が足りなくなりそうです」
「平屋を建てるには、広い土地が必要ですよね?」
といったご質問も多くいただきます。
今回、ココチエのYouTubeでご紹介しているのは、安曇野市に建てた約27坪のコンパクトな平屋です。
27坪と聞くと、「少し小さいのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際に室内をご覧いただくと、数字以上の広がりと、毎日の暮らしやすさを感じていただけるお家になっています。
コンパクトな平屋は、決して「小さく我慢する家」ではありません。
必要な場所にはしっかりと面積を使い、使わない空間や無駄な移動を減らした、暮らしの密度が高い住まいです。
## 27坪でも広く感じられる理由
家の広さは、単純に床面積だけで決まるものではありません。
例えば、35坪の家であっても、長い廊下や、家具を置けない通路、目的のはっきりしない空間が多ければ、家族が実際に使える面積は限られます。
反対に、27坪でも廊下をできるだけ減らし、LDKや収納、水回りなど、毎日使う場所へ面積を配分すれば、ゆとりを感じられる住まいになります。
今回のお家で印象的なのが、床を一段下げたピットインリビングです。
床に段差を設けることで、壁をつくらなくてもリビングとダイニングを緩やかに分けられます。
視線の高さが変わるため、同じ空間の中に落ち着いて過ごせる居場所が生まれます。
家族がソファに座ってくつろいだり、床に近い場所で子どもと遊んだり。
LDKの中に少しだけ雰囲気の違う場所があることで、コンパクトな空間にも奥行きが生まれます。
ただ面積を広くするのではなく、床の高さや天井のつながり、視線の抜けを工夫する。
このような設計によって、27坪とは思えない広がりをつくることができます。
## 子育て家族にちょうどいい3LDKの考え方
子育て家族の平屋では、LDKに主寝室と子ども部屋2室を設けた3LDKが、暮らしやすい基本形の一つになります。
ただし、すべての部屋を同じように広くする必要はありません。
特に子ども部屋は、小さいうちから大きな個室にする必要はないと考えています。
子どもが小さい間は、リビングやダイニングで遊んだり、勉強したりする時間が長くなります。
将来、ベッドと机、必要な収納を置ける広さを確保しておけば、子ども部屋としての役割は十分に果たせます。
子ども部屋を必要以上に大きくするよりも、その分を家族が集まるLDKや、毎日使うキッチン、洗面室、ランドリースペースに使った方が、暮らし全体の満足度は高くなります。
家づくりでは、「すべてを同じように広くする」のではなく、「家族が長く使う場所を大切にする」という考え方が重要です。
子ども部屋を本格的に使う期間は、家の寿命から考えれば限られています。
一方で、キッチンやダイニング、洗面室、トイレ、浴室は、家族がこの家で暮らし続ける限り、毎日使う場所です。
一生使う場所に、きちんと広さと使いやすさを確保する。
それが、コンパクトでも豊かに暮らせる平屋につながります。
## 家事がラクになるキッチンのつくり方
子育て世帯の家づくりでは、キッチンの使いやすさが、毎日の暮らしやすさに大きく影響します。
今回のお家では、丈夫でお手入れのしやすいホーローキッチンに、造作カウンターを組み合わせています。
造作カウンターは、食事をするだけでなく、料理中の一時置きや配膳、子どもの勉強、家計簿をつける場所など、さまざまな使い方ができます。
子どもがカウンターで宿題をしている横で、夕食の準備をする。
料理をしながら学校であった出来事を聞く。
キッチンを単なる調理の場所ではなく、家族のコミュニケーションが生まれる場所として考えています。
また、大容量の海外製食洗機を採用することで、食後の片づけにかかる時間と負担を減らしています。
家事ラクというと、移動距離を短くすることだけに注目されがちです。
しかし、本当に大切なのは、家事にかかる作業そのものを減らすことです。
たくさんの食器や調理器具をまとめて洗える食洗機があれば、食後に家族と過ごす時間を増やせます。
毎日の小さな負担を一つずつ減らすことが、子育て家族の時間と心のゆとりにつながります。
## コンパクトな平屋こそ収納計画が重要です
コンパクトな平屋を考えるとき、多くのお客様が心配されるのが収納です。
しかし、収納は大きな場所を一つつくればよいわけではありません。
大切なのは、「何を、どこで使い、どこへ戻すのか」を考えることです。
玄関には、靴だけでなく、ベビーカーや雨具、通園バッグ、外遊びのおもちゃをしまう場所が必要です。
リビングには、学校や保育園からの書類、文房具、薬、充電器など、家族が日常的に使うものを収納できる場所があると便利です。
キッチンには食品や日用品を保管する収納。
洗面室にはタオルや下着、洗剤の収納。
使う場所の近くに必要な量の収納を設ければ、片づけるために家の中を何度も移動する必要がありません。
子どもにとっても、戻す場所が分かりやすくなり、自分で片づける習慣をつくりやすくなります。
収納率という数字だけではなく、暮らしの中で本当に使いやすい場所に収納があるか。
そこまで考えることが、生活感を上手に整えられる家につながります。
## 松本市・安曇野市の平屋には住宅性能が欠かせません
松本市や安曇野市で平屋を建てる場合、間取りやデザインと同じくらい大切なのが、断熱性、気密性、耐震性です。
この地域は、冬の朝晩の冷え込みが厳しく、一日の中でも気温差が大きくなることがあります。
断熱性や気密性が不足していると、リビングは暖かくても、廊下やトイレ、洗面脱衣室が寒いという室温差が生まれます。
特に小さなお子さまは、家の中を裸足や薄着で動き回ることも多いため、家全体の温度差をできるだけ少なくすることが重要です。
高断熱・高気密な平屋は、室内の暖かさを逃がしにくく、少ないエネルギーで家全体を快適な温度に保ちやすくなります。
ココチエ一級建築士事務所では、断熱性能を計算するだけでなく、すべてのお家で気密測定を行っています。
図面上で計画した性能が、完成した建物でも確保されているかを、実際に測定して確認します。
高性能住宅の目的は、性能数値を競うことではありません。
冬の寒い朝も、家族が気持ちよく布団から出られること。
子どもがリビングでも廊下でも、安心して遊べること。
家の中の温度差を少なくし、毎日を健康で心地よく暮らせること。
その暮らしを守るために、住宅性能が必要だと考えています。
## 大きさではなく、暮らしの豊かさを考える
家は、大きければ大きいほど暮らしやすいとは限りません。
建物が大きくなれば、建築費だけでなく、将来の修繕費、冷暖房費、掃除や管理の負担も増えていきます。
大切なのは、ほかの家と坪数を比べることではありません。
自分たちの暮らしに、本当に必要な広さを知ることです。
毎日の家事がスムーズにできること。
家族が自然と顔を合わせられること。
それぞれに落ち着いて過ごせる居場所があること。
子どもが成長した後も、無理なく使い続けられること。
冬の寒い日も、家のどこにいても心地よく過ごせること。
今回、YouTubeでご紹介している27坪の平屋には、限られた面積の中で、暮らしを豊かにするための工夫が詰まっています。
コンパクトな平屋は、何かを諦めて小さくする家ではありません。
ご家族にとって本当に必要なものを見極め、毎日使う場所を丁寧につくる家です。
ココチエ一級建築士事務所では、決められた間取りにご家族の暮らしを合わせるのではなく、普段の生活や家事の方法、休日の過ごし方、将来の変化までお聞きしながら、一棟一棟を設計しています。
松本市・安曇野市で、家事がラクになる高性能な平屋をお考えの方へ。
まずは坪数や部屋数を決めることからではなく、
「新しい家で、どのような毎日を過ごしたいか」
を一緒に考えるところから、家づくりを始めてみませんか。
今回ご紹介した27坪のコンパクトな平屋は、ココチエ建築設計のYouTubeで詳しくご覧いただけます。
間取りのつながりやピットインリビングの広がり、キッチンの使いやすさなど、写真だけでは伝わりにくい空間の心地よさを、ぜひ動画でもご覧ください。
それでは、また。
ヤグラセイジ
手間がかかる事に手間をかけると愛着が湧く。
家づくりに手間をかけた分だけいい家になる。