2026.08.27
# ココチエは、何のために存在する会社なのか。
## ― 2012年11月、創業したときから考えていたこと
2012年11月、ココチエを創業しました。
振り返れば、もうずいぶん時間が経ちました。
たくさんのお客様との出会いがあり、たくさんの家をつくらせていただき、スタッフや大工さん、職人さん、協力業者さんをはじめ、本当に多くの方々に支えていただきながら今日まで会社を続けてくることができました。
最近あらためて、
**「ココチエは、何のために存在する会社なのか」**
ということを考えています。
ただ、これは最近になって初めて考え始めたことではありません。
ココチエをつくろうと決めたときから、ずっと考えてきたことです。
会社をつくるということは、登記をして、事務所を構えて、仕事を始めればいい。
形だけなら、それで会社はつくれます。
でも私は、そういう始め方をしたくありませんでした。
何のために、この会社をつくるのか。
どんな会社にしたいのか。
誰のために仕事をするのか。
お客様に、どんな価値を届けたいのか。
自分たちは、何を大切にしながら仕事をしていくのか。
創業する前から、かなり考えました。
住宅会社をつくること自体が目的ではありませんでした。
家を建てて、売上をつくって、会社を大きくする。
もちろん、会社を続ける以上、利益は必要です。
でも、それだけのために会社をつくるのであれば、私はココチエを始める必要はなかったと思っています。
どうせ会社をつくるのであれば、
**「この会社があって良かった」**
と誰かに思ってもらえる会社にしたい。
それが、創業したときから根底にあった考えでした。
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## 家を売る会社ではなく、家を「つくる」会社でありたい
私たちの仕事は住宅をつくることです。
でも私は、ココチエを単に「家を売る会社」にはしたくありませんでした。
住宅を商品として販売して、契約をいただき、完成したら次のお客様へ進む。
それだけでは、何か違うと思っていました。
家づくりは、そのご家族にとって人生の中でも非常に大きな出来事です。
どこに住むのか。
どんな家で暮らすのか。
子どもたちをどんな環境で育てるのか。
家族でどんな時間を過ごすのか。
これから先、どんな人生を送りたいのか。
家づくりには、そのご家族の人生そのものが詰まっています。
だから私たちは、ただ建物を完成させればいいわけではありません。
その人、その家族にとって、
**「この家を建てて良かった」**
と思える住まいをつくらなければならない。
それが私たちの仕事だと思っています。
私は「つくる」という言葉が好きです。
ひらがなで書くと一つの言葉ですが、日本語にはいろいろな「つくる」があります。
家を**作る**。
職人の技術で建物を**造る**。
まだ形のないものを一緒に**創る**。
そして私は、ココチエの仕事には、この全部が含まれていると思っています。
建物をつくる。
暮らしをつくる。
家族の時間をつくる。
安心をつくる。
心地よさをつくる。
人と人とのつながりをつくる。
そして地域の風景をつくる。
私たちがつくっているものは、家という「物」だけではない。
創業した頃から、そのことは大切にしてきました。
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## 「良い家」とは何なのか
住宅の仕事をしていると、
「良い家とは何ですか」
という問いに向き合うことがあります。
断熱性能が高い家。
気密性能の高い家。
地震に強い家。
長く安心して住める家。
デザインの良い家。
使いやすい家。
もちろん、すべて大切です。
住宅会社である以上、技術から逃げてはいけないと思っています。
特に、完成したら見えなくなってしまう部分ほど、きちんとつくる。
断熱も、気密も、構造も、耐久性も。
「見えないから分からない」ではなく、
見えない部分だからこそ、私たちが責任を持つ。
これはココチエがこれからも大切にしていくことです。
ただ、性能の数字だけで「良い家」が決まるわけでもありません。
ものすごく性能が良くても、そのご家族が幸せに暮らせなければ、本当の意味で良い家とは言えないと思います。
朝起きてリビングに行ったとき。
家族でご飯を食べているとき。
子どもが床の上で遊んでいるとき。
窓から安曇野の景色を眺めているとき。
仕事から帰って玄関を開けたとき。
何でもない休日を家で過ごしているとき。
そんな日常の中で、
**「ここが自分たちの家で良かった」**
と思ってもらえること。
私は、そこまで含めて「良い家」なのだと思っています。
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## お客様だけでは、会社は成り立たない
創業した頃から、お客様に喜んでいただける会社でありたいと思ってきました。
それは今も変わりません。
ただ、会社を続けてきた年月の中で、その考えはさらに広がってきました。
一棟の家は、ココチエだけではつくれません。
一緒に働いてくれるスタッフがいます。
そのスタッフを支えてくれる家族がいます。
大工さん、基礎屋さん、電気屋さん、水道屋さん、板金屋さん、左官屋さん、建具屋さん。
たくさんの職人さんや協力業者さんがいます。
設計、構造、申請、測量、不動産、金融など、家づくりを支えてくださる多くの方々がいます。
そして何より、私たちは安曇野や松本を中心とした地域の中で仕事をさせていただいています。
そう考えると、会社というものは、本当にたくさんの人との関係の中で存在していることが分かります。
お客様に喜んでいただく。
スタッフも、この会社で働いて良かったと思える。
スタッフの家族にも、ココチエで働いていることを安心してもらえる。
協力業者さんにも、ココチエと一緒に仕事をして良かったと思ってもらえる。
そして地域の方々からも、
**「ココチエという会社が、この地域にあって良かった」**
と思っていただける。
そこまでいって初めて、会社として存在する意味が生まれるのではないか。
14年近く会社を続けてきた今、創業時に考えていたことが、よりはっきり見えるようになってきました。
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## 100年先にも存在する意味のある会社に
会社をつくった以上、自分一代だけで終わる会社にはしたくありません。
私が仕事をしている間だけ存在すればいいとも思っていません。
できることであれば、100年先にもこの地域にココチエが存在していてほしい。
もちろん、100年後に私はいません。
今のスタッフもいないでしょう。
住宅の技術も、暮らし方も、社会も、大きく変わっていると思います。
それでも変わらないものがあるはずです。
人が家族を想うこと。
安心して暮らしたいと思うこと。
自分らしく、心地よく暮らしたいと思うこと。
人と人との信頼を大切にすること。
そして、
**誰かを幸せにする仕事には、時代を超えて価値があるということ。**
100年続く会社になるために必要なのは、100年間同じことをやり続けることではないと思います。
技術も変えなければいけない。
デザインも変わる。
仕事のやり方も変わる。
会社の形も変わっていくでしょう。
変えるべきものは、どんどん変えればいい。
でも、
**何のためにこの会社が存在するのか。**
そこだけは、簡単に変わってはいけない。
だからこそ今、創業したときに考えていたこと、これまで大切にしてきたこと、そしてこれから先も大切にしていきたいことを、一度きちんと言葉にして残そうと思っています。
それは、ホームページに格好良い言葉を載せるためではありません。
お客様への宣伝のためだけでもありません。
これからココチエで働く人たちへ。
一緒に家づくりをしてくれる仲間へ。
協力業者さんへ。
これから出会うお客様へ。
そして、いつかこの会社を次の世代へ渡すときのために。
**「ココチエは、こういう想いから始まった会社なんだ」**
ということを残しておきたいと思っています。
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これから何回かに分けて、ココチエが大切にしていることを、このブログで書いていこうと思います。
企業理念。
経営理念。
行動指針。
言葉だけを見ると、少し堅苦しく感じるかもしれません。
でも、その一つひとつには、これまでの家づくりや、お客様との出会い、スタッフとの時間、たくさんの経験から生まれた想いがあります。
だから、理念の言葉だけを紹介するのではなく、
**「なぜ、この言葉なのか」**
を自分の言葉で書いていきたいと思います。
次回は、
## 「家を売る会社ではなく、家を“つくる”会社でありたい。」
このことについて、もう少し深く書いてみたいと思います。
2012年11月にスタートしたココチエが、これから先も何を大切にして歩いていくのか。
少しずつ、お伝えしていきます。
ココチエ建築設計株式会社
代表取締役 矢倉 誠治
ヤグラセイジ
手間がかかる事に手間をかけると愛着が湧く。
家づくりに手間をかけた分だけいい家になる。